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2009年12月 4日

*[Interview] 「IllustratorとKCH」 / 浦野周平

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2009.11.26
Kitazawa Central Heights 402
Interviewer:Reno*Yamagishi
Photo:Reno*Yoshikawa


今回は、Reno* No.16 [Kitazawa Central Heights]に事務所を構えている、浦野周平さんにお会いしました。誰もが御存じだと思います。『R25』の「スマートモテリーマン講座」や、『BRUTUS』『POPEYE』など様々な媒体でイラストレーターとして活躍中です。そんな浦野さんにキタセンの事とお仕事の事をお尋ねしましたっ。



Reno*
: まずは、北沢セントラルハイツ(以後、KCH)について。浦野さんはいつごろからKCHに入居されたのですか?

Urano : KCHに募集がかかってスグの頃です。自宅が学芸大学なんですけど、そこから自転車で5㎞。通勤をするのに丁度良い距離感だったので検討していました。

Reno* : KCHに決めた理由って何かありますか?

Urano : 昔借りていたオフィスは玄関をガチャッと開けると、空間が全部丸見えになってしまってメンタル面で疲れてしまった・・・この部屋は玄関からオフィスが見えないところが良いのと、壁が多くてデスクなどのレイアウトがしやすかったんです。オフィスで検討をしていたので、ユニットバスではなくシャワーブースだった点も丁度良かったですね。シャワーブースのある引き戸の向こうは収納として使っています。

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正面が玄関、左手がキッチン。右手のオレンジ色の引き戸を開けると、洗濯機置き場、シャワーブースとなっています。とても整理整頓されていて丁寧に使われていました。正面の壁に掛けられているハンバーガーのイラストも浦野さんの作品。

Reno* : なるほど、そういう理由でL字にクランクしているこの部屋を選ばれたのですね。SOHOでの募集もしていましたので、浦野さんにピッタリですねっ!!

Urano : そうそう、あまりに快適すぎると家に帰らなくなってしまうので(笑)、、、あくまでも職場として快適な空間を探していたので、ほど良く仕事がしやすいです。

Reno* : KCHで気に入っている点はありますか?

Urano : キッチンが存在感があって気に入っています。特に水洗金具。せっかくGROHEがついているんだから、ここに浄水器を付けるのはもったいないなと思って、ウォーターサーバーにしました。

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右手にウォーターサーバー。GROHEの水洗金具に浄水器を付けたくないという理由で設置。その奥にある収納には浦野さんのイラストが掲載されている書籍が置かれています。

Reno* : なるほどですね。まさかGROHEを知っているとはっ!そこまで気を使ってくれていると作り手としても嬉しいですね。

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こちらがそのGROHEの水洗金具。右にちょこんと置いてあるのはT-falの電気ケトルでしょうか・・・。白で統一されていて無駄なくきれいに使用されていました。

Urano : あ、あと今家を建てているんですけど、このフローリングどこのですかね!?「このフローリング無いですか?」って聞いても誰もわからなかったので・・・すごく気に入っているので教えて下さい。

Reno* : え~と、え~と、どこのフローリングだったっけなぁ・・・確か廃番になってしまった様な・・・名前をど忘れしてしまったので、後日メールします(笑)。確かに隙間もなくフラットでキャスターを使うオフィスにも合ってますよね。

Urano : あとこの壁紙もすごいな~って思いましたね。始めて見たときは塗装かと思いましたよ。シンプルでいいですね。

Reno* : そうですね、フラットで塗装の様な壁紙。張るのは大変なんですけどね(苦笑)

Urano : あと、気になるのは以前(リノベーション前)はどんな空間だったのかなって気になります。

Reno* : え~っとですね・・・ここが、もともとお風呂でバランス釜があって、ここが収納で・・・(ひとつずつ間取りを説明)

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ひとつずつリノベーション前の様子を説明。住んでいる人も以前はどんな感じだったのか?気になるものなんですね。手前にあるバイクが、通勤で使用されているもの。右手が浦野さんのデスク。デスクの上にはペンとマウスと電話しか置かれていない。

Urano : あ~、なるほどね。そんな間取りだったんだ・・・。

Reno* : そうそう、オープンハウスを行った時に、リノベーション前に住んでいた方が偶然いらっしゃって、「へぇ~こんなに変ったんだ~。」って驚かれていたのを覚えています。賃料を見てビックリしていましたけどね(苦笑)。もともと住まわれていた方も、個性的な方が住まわれていて、床が赤と白のチェッカーになっていたり、古着屋で売ってそうな古い旅行鞄がどんっと置かれていたりしましたよ。やっぱり下北カルチャーはここにも存在していたんだなって・・・。結構おもしろかったですよ。

Urano : 僕もね、借りた当初は、「浦野って、下北っぽかったっけ?」ってよく言われましたよ(笑)でも、この空間を見て、「あ~あ~、あぁいう(下北カルチャー的な)感じじゃないんだね。」って安心されました(笑)

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リノベーション前のお部屋。以前は畳敷きで押し入れがありました。リノベーションした後でも玄関扉やサッシなど、少しだけ当時の面影が雰囲気良く残っています。

コピー ~ CRW_5204.jpg

他にも下北カルチャーを思わせるこんなお部屋もありました。住んでいた人が張ったのでしょうか、床はチェッカーになっています!キッチンの面材も赤っ!!

Reno* : 今の下北はおとなしくなりましたよね。以前はおもしろい人がたくさんいたんですけど・・・。原因は計画道路にある気もします。丁度このKCHの目の前にも計画道路があるんですよ。再開発の見直しを求める運動も行われていますね。

Urano : 僕のまわりにも下北文化があってなんでしょうけど、イラストレーター、デザイナーなどの同業者が多いんです。その辺の繋がりが下北はすごいなって思いますね。仕事をする上でもおもしろい。

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玄関先にも「OPEN COME IN」の看板を持ったモテリーマン。可動棚も浦野さんの作品がきれいに並べられていました。何処をとっても清潔感があり、きれいに使われています。

Reno* : では、そろそろお仕事のお話に入りましょうか。もうずっとイラストレーターとしてお仕事を・・・?

Urano : そうですね。最近ちょっとCDジャケットのデザイン等も行っていますが「デザイナーです。」とちっちゃく言うくらいで、あとはイラストレーターとして活動しています(笑)

Reno* : なるほど、でも凄いですよね。いろんなところで浦野さんのイラストを目にすることがあって・・・。

Urano : 結構ね、「見たよ!」って言われるんですけど、「どこでっ!?」って返すんですよ(笑)自分は作業をしててあまり外に出ないから、電車で見たよとか言われるとオドオドしちゃいますよ(笑)

Reno* : (笑)あのキャラクターも全部イメージされて描かれているんですか?

Urano : はい。そうですね。動作は写真や自分でポーズを作ったりして工夫しています。

Reno* : 初めはあぁいうものって、手描きなんですよね?もちろん・・・。

Urano : いや、僕はあのぉ、手で描けなくて・・・、手で描くのが下手だから、全部最初からパソコンで始めるんですよ。

Reno* : えっ!!!!ほんとですかっ!?それじゃぁ、Illustrator上であの作品(モテリーマン)も生まれたのですか!?

Urano : はい。そうなんです・・・。

Reno* : それ、凄い大変じゃないですか!?僕も空間をIllustratorで表現したりしますけど、すっごく大変じゃないですか!?

Urano : まぁ大変なんですけど・・・手で描くのがすっごい下手なんで・・・(苦笑)

Reno* : へぇ~、ビックリです。でも今じゃR25にも連載されましたし、ブルータスにも掲載されていますしね。人気者ですよね~!

Urano : う~ん・・・。いまだに電話はかかってくるし、追われる毎日ですよ。。。

Reno* : (笑)。でも、パソコン1台あれば仕事になるっていうのは凄いビジネスですよね。

Urano : そうですね、だから別に事務所を構えなければ資本もいらないし、どこでもやれちゃいますよ。

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オフィス側。デスクを2つ並べて必要なものを最小限にレイアウトしています。浦野さんのこだわり等も垣間見れる。そんな空間でした。

Reno* : あのキャラクター(モテリーマン)っていうのは、何かイメージするものがあるんですか?

Urano : いや、なんか自分の中で思い描いたおじさんをイラストにしただけなんですけど・・・。おじさんって言っても設定上は25歳なんですけどね(笑)

Reno* : へぇ~。モテリーマンは同じ人なんですか?

Urano : いや、何人もいます。毎回思い描いて、特にこれって決めてないんです。いろんな髪型の人もいれば、服装の人もいて、ヨーロッパだったり日本人だったり・・・でもみんなモテリーマンって言われてますけどね(笑)

Reno* : あのストーリー等はライターの方が決めてるんですか?

Urano : そうですね、ライターの武田篤典さんって人がいるんですけど、なんかこういうモテる技を紹介したいんだけどって言って、ポーズはこうだからって説明を受けて、武田さんがデジカメで撮影したモテるポーズが送られてくるんですよ(笑)

Reno* : (笑)。

Urano : その写真の後ろには武田さんの息子が宿題やっているところが写ってたりして(笑)、奥さんが毎回撮影してるんですけど・・・これをカッコ良くイラストにしてっ!!って言われます。僕は、「ハイ、わかりました」ってイラストにする感じです。

Reno* : へぇ~。連載のきっかけは何だったんですか?

Urano : もともとやってた仕事の繋がりで、雑誌にこんなイラストレーターですって紹介に出す時に、何を作品で載せようかな~って考えていたんですね。で、胡散臭いおじさんを描いていたら、「これちょっと連載に使わせてくれない?」って頼まれたんです(笑)

Reno* : へぇ~・・・。

Urano : 「この前なんか変なの描いてたじゃん!?」みたいな(笑)「はい、変なの描いてました。」みたいな(笑)

Reno* : (笑)。追われてるっておっしゃってましたけど、編集の方もここで打ち合わせをされるんですよね?

Urano : はい、入稿はいつで校了はいついつで・・・、顔は笑ってますけど、ピリピリしてますよ(笑)

Reno* : どこの世界も同じですね・・・。KCHにオフィスを構えてみて、これからのライフスタイルはどの様にしていきたいですか?思うことや、ONとOFFの切り替え等・・・。

Urano :う~ん、どうなんだろう・・・。結構流されるままに来てますね(笑)、模索中です。まだわからないですけど、仕事と住空間をフロアで分けるっていうのもあるし、それこそ建物自体を分けるっていうのもあるし、ちょっとこう新たにリフレッシュしていろいろ環境を変えてっていうのをずっとやっていますね。基本的にやりすぎてしまったデザインっていうものにはあまり興味が無くて、そういうものは中途半端に20年後ぐらいに見ると「あちゃ~」って思ってしまう。そうではなくて、作り手が古くなってもちゃんと考えられている建物であれば気持ち良くライフスタイルを送れると思います。

Reno* : そうですね。将来的に経年変化が楽しめる作りであったり、住み手が建物を育てていく感覚は必要だと思います・・・。

Urano : あとはこう、その建物を引っ越して何年も経った後に、時間が経ってもカッコよく残っていたら、「あ~ここに住んでたんだよ」って楽しい会話が出来ると思うんですね。

Reno* : まさに、KCHのリノベーション前に住んでた方の事と同じですね!「以前ここに住んでたんですよ!随分変わって、でも雰囲気を残しつつ良くなりましたね!」って、おっしゃってくれました。嬉しかったですね。

Urano :なんかこう、日本の新築って数年経つとあっという間に古くてカッコ悪くなっちゃうじゃないですか。そんな賃貸住みたくないっ!みたいな(笑)でも、海外行くと建物はすっごく古いのにアジがあったり、外は古いのに中に入ったら「うぁ~かっこいいっ!!」っていう建物ばかりで。日本ではデザイナーズってうたっているけど、全然カッコいいと思わないんですよね。デザインしたことが誇られているというか・・・、根本的に違う気がします。

Reno* : そうですね、やっぱりそういう点では、海外に行くと日本はまだまだだなって感じます。

Urano :普段から街中を歩いていると、「あ、これリノベーションしたらカッコイイのに!」ってずっと目を付けていたら(笑)、その建物を壊して新築が建ってしまって、「あぁ~もったいない!!これ、壊しちゃったのかぁ・・・。」って思ってしまうことがよくあります・・・。

Reno* : わかります、わかります(笑)僕も良く思いますよ(笑)KCHも建物本来の雰囲気が良かったですね。環境や立地なども含めて。はじめて見たときは、「これいい!リノベーションしたいっ!!」って思いましたよ。日本にはまだまだ沢山こういった建物があると思います。ただ、法律やコストの話など、クリアしていかなければならない事も沢山あります。

Urano : 確かにそうですね、法律もどんどん厳しくなってますしね・・・。

Reno* : では、最後に2つお聞きしたいんですけど、オフィスとしてはKCHは何点ですかね?また、Reno*に対して何かメッセージがありましたらお願いします。

Urano :う~ん。90点。マイナス10点は寒さです。それ以外のところはほぼ満点ですね!!作り手の気持ちがとても伝わってくる建物だと思いますよ。これからつくる家の参考にさせてもらっています(笑)。Reno*に対してですが、このKCHを見つけたのはたまたま偶然だったんですけど、引っ越ししてから新しい仕事が生まれたり、猫拾ったりとか(笑)。あと近所のおばちゃんと世間話をしてても「そのマンションに住んでるんです。」って伝えやすくて助かっています。

Reno* : あ~、確かに周辺を見てもKCHはシンボリックなところがありますね。

Urano :はい。だから、そういう小さな事がKCHをきっかけに繋がっていって楽しいですよ。あと、いろいろ来る人が「おしゃれ~!!!」って言ってくれるのは悪い気がしませんね(笑)。あとは、この部屋に絵を飾ってみようっていう時も、この空間に刺激を受ける時があって・・・、いろいろ感謝しています。

Reno* : ありがとうございます。そうおっしゃっていただけると、とても嬉しいですね。今日はお忙しい中ありがとうございました。


帰り際に浦野さんのイラストが掲載されている『スマートモテリーマン講座』と『スマートモテリーマン講座プレミアム』を2冊頂きましたっ。嬉しいっ!!あっという間の1時間。浦野さんはとても気さくな方で笑いの絶えないインタビューになりました。お酒が大好きということでしたので、次回は芋焼酎を呑みながら業界話や裏話が出来たらと思います。浦野さん、ありがとうございましたっ!!

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浦野周平/Shuhei Urano
イラストレーター・デザイナー
㈱スネイル主宰。
1976年東京都生まれ。東京造形大学卒業。1999年、雑誌『ポパイ』で本格的にイラストレーターとしての活動を開始。以後、『お金持ちになれる黄金の羽の拾い方』『プチモテリーマン講座』等、活動の幅を広げている。現在、雑誌をはじめ、書籍、広告、CM、テレビ等のイラスト、パッケージやロゴ、CDジャケットのデザインを手がける。デザイナーとしても活躍中。
Shu-Thang Grafix
http://www.shu-thang.com/